こんばんは。すまほど! 運営者のわらすけです。
前回の記事では、大手携帯キャリアよりお手軽にスマホを利用できる、格安スマホというものがありますよという記事を書きました。
また提供会社もたくさんあるので、みなさんにあったサービスを契約することがおすすめですよとも書きました。
そこで今回は、どうして格安スマホサービスが安く提供できるのかというお話しをしたいと思います。
ですがそのまえに、どうして大手携帯キャリアは高いのか、というところを考えてみます。いろいろなサイトをまわってみましたが、こういう論調のところをいくつか見かけました。
「ドコモがぼったくってるから。」
大手携帯キャリアが、たくさん利益をのせているから料金を決めているから高いといいたいのですね。たしかにそういう面もあるでしょう。
聞いたところによると、いまはどうか知りませんが、NTTグループの中でもドコモの社員の給料はヒトキワたかかったのだとか。
「なんだって?! ゆるせない!」
という声もあるかもしれません。でも世の中そういうものだというのも確かなところで、「提供できる競合相手が少ないビジネスでは、高い利益をとっておく」というのはよくあることです。
競争原理が働かないところでは、価格が低くなりにくいということです。通信設備をつくってスマホを使えるサービスを提供できる会社は、そう多くはないはずですから。
ただそれはビジネスとしての基本的な考え方のことで、「だから高くても許されるべき!」ということではありません。じつは「高くて許されなくなってきてしまった」から、政府からも安くするように指導されてきている、というのが今の携帯キャリア業界なのです。
大手携帯キャリアが高いのはたくさんの理由がある
大手携帯キャリアが、なかなか安くならない理由はほかにもいくつもあります。
ひとつの理由としては「自分たちでアンテナなどの設備やネットワークを作っているから」ですね。
アンテナをたくさん建てるとお金がかかる
スマホは電波を使って通信して、インターネットを利用したり電話で会話したりできるようになっています。コードなどでつなぐ必要が無いので、電波が届く範囲ならどこでも使うことができます。とても便利です。
そして、コードがなくても通信できると言うことは、スマホと電波でつながっている、アンテナがついた場所がどこかにあるはずです。これを携帯通信の「基地局」といいます。
基地局は、高いところにつくられるほうが有利です。電波が遠くまでとびやすいですし、見通しがよくなりますから。
「見通しがよくなる」というのは、他のビルなどにさえぎられずにアンテナとスマホが通信できるということですね。
マンションの一室に通信するための機器をたくさん置いて、屋上にアンテナが建てられたりもしているようです。
そのほかにも、設備をコンパクトにして、携帯キャリアが自分たちでタワーを建ててアンテナをつけることもあります。電柱の上につけていることもたまに見かけます。
このようなアンテナをたくさん建てるためには、お金がかかります。また、基地局だけ置いても通信はできません。アンテナまで光ファイバをひいてデータをおくったりしなくてはなりませんから。
光ファイバといえば、携帯キャリアの通信センターと基地局を結ぶだけでは足りなくて、日本中にデータを送り届ける仕組みも必要になります。
たとえば東京から沖縄の友達にも、簡単にスマホで電話がかけられますね。あまり意識しないかもしれませんが、本州から沖縄まで光ファイバでつながっているんです。
こういうのを海底ケーブルというのですが、これも作るのはたいへんです。地上から海に向けて出て行くところの設備をランディングステーションというのですが、そこから海底を這わせる光ファイバは、船でひっぱって作っています。タイヘンです。他のネットワーク会社から借りている場合もありますが、いずれにしてもお金がかかりますし、メンテナンスも必要です。
お客様対応のための窓口もお金がかかります。
大手携帯キャリアの窓口の開設や維持にもお金がかかります。
たとえばドコモショップ。日本中ほぼどこでも見かけることができます。ドコモショップ自体はNTTドコモが外部委託しているのでしょうが、そこで働いている方々の人件費もかかります。
ドコモのショップの電気代、場所代、あとはスタッフへの教育にかかるコストも無視できないでしょう。
そのほかにも、電話応対をする窓口や、メールでの問い合わせに回答する窓口もありますね。こういった部門を維持することも料金が高くなる要因です。
未来の世の中に対する投資もしています
大手携帯キャリアは、それぞれ研究所を持っていて、新しい技術やサービスの研究をしています。
ここで生み出された技術で、世の中に新しいサービスがつくられます。それぞれの会社だけでなく、世界中で使われるような成果がでることもあります。
研究所自体では基本的にお金儲けにならないですし、ここで使われる設備は高価なものも多いです。スタッフの方が使われるパソコンも高いスペックのものを使う傾向にあります。シミュレーションを頻繁に行うので、遅いパソコンだと効率が悪すぎるからですね。
これらのような理由があるため、大手携帯キャリアの料金は高くなっているのです。
格安スマホが安い理由
格安スマホサービスが安いのは、基本的なところを言えば「携帯キャリアが高い理由の反対になっているから」です。
ここでまたあらためて深堀りしていきたいんですが、格安スマホサービスには、いくつかの種類にがありますので、順にお話しします。
大手携帯キャリアから設備を借りるMVNO
大手携帯キャリアが、電波で通信するための設備をつくっているというお話はしました。こういった大手携帯キャリアから設備を借りてスマホの通信サービスを提供している会社があります。
こういった会社をMVNO(エムブイエヌオー)といいます。日本語では「仮想移動体通信事業者」ですね。
このMVNOのことを格安スマホサービスと言っていることも多いです。
MVNOであれば、格安スマホのサービスを提供する会社は、通信する設備のことをほとんど考える必要がありません。通信に必要なSIMは携帯キャリアから提供されますので、先ほどご説明した「携帯キャリアが高くなる理由」の、最も大きなポイントが解消されているのです。
ここが、格安スマホサービスが安く提供できる大きな理由になっています。
さきほど「高くて許されなくなってきてしまった」と書きました。日本政府としては、スマホサービスを安くしたいという思いがあり、MVNOのサービス提供をMNOが行うことを推進してきたという経緯があります。
MNVOサービスを広げることで競争を促進したいという、国の方針自体も、格安スマホが安い理由として挙げられるでしょう。
なお参考までにご説明しますが、MVNOに対して、携帯キャリアのことはMNO(エムエヌオー)と言ったりします。訳すと「移動体通信事業者」です。つまり「仮想」ではないということですね。
MVNOは、MNOから設備を借りるので安価にサービスを提供できます。ただ、サービス内容は、MNOがサービスメニューとして用意しているものしか使うことができません。ですので、サービスを出す側としてはすこし窮屈かもしれないですね。
大手キャリアが提供するサブブランド
大手携帯キャリアと言えば、ドコモ、au、ソフトバンクの3社です。
そして、au、ソフトバンクは、MVNOに対して回線サービスを提供することもありますが、それだけでなく「サブブランド」というサービスも提供しています。
これは自社の関連会社などで、auやソフトバンクが主となって提供しているサービスとは別のブランドを立ち上げて、ちょっとだけ安いサービスを提供しているというものです。
auのサブブランドがUQ mobile、ソフトバンクのサブブランドがY!mobileというカタチです。ドコモはサブブランドは展開していません。
サブブランドのサービス内容は、キャリアのサービスに近く、なおかつ安価に利用ができるので「MVNOは安くてよいけど、品質が少し心配」という方に向いています。
格安スマホが安い理由のまとめ
従来の大手携帯キャリアよりお手軽に利用できる「格安スマホ」と呼ばれるサービスがあります。
基本的には、自社で通信設備を作ったりしないために安くできるMVNOと、大手携帯キャリアが戦略的に展開しているサブキャリアがあるという説明をしました。このように、格安スマホとよばれるサービスにもいくつかの成り立ちがあるのです。
一部の格安スマホでは、お客様窓口を作ったりして、高いコストのサービスになっているところもあります。こういった事業者は、他の格安スマホの事業者と差別化したいこと、お客様への利便性を提供するためにお客様窓口をつくるのです。
長々と説明してきましたが、それぞれのサービスによって特徴がありますので、それらをよく理解することで、上手にスマホをつかうことができるのです。